
聖アンナと聖母子
ニュルンベルクのレオンハルト・トゥッヒャーが注文した、親子三代を表す作品。眠る幼子イエスは死の予兆とされ、母マリアは不安げに手を合わせ、祖母アンナはマリアの肩に手を置いている。
この作品は生硬な印象から真作であることを疑われてきた。1628年にガブリエル・トゥッヒャーがバイエルン選帝侯マクシミリアンに売却を申し出たが、真作を疑われ、翌年侯によって購入されている。その後所有者を変えて、1913年メトロポリタン美術館に遺贈されている。
現在では真作と認められているが、疑われたのはデューラーの作品になかった彫塑性が原因だと考えられている。残された下絵素描でも彫塑性が強められている。1512〜13年に書かれたデューラーの色彩に関する覚書から、新しい色彩観の試みとして高く評価する人もいる。
聖アンナの視線が気になるのだが、モデルはデューラーの妻アグネスだとされる。マリアの頭部の右に1519年の年記とモノグラムが記されている。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1510年代
デューラー
聖アンナと聖母子
1519年 板(カンヴァスに移行) 油彩
60×49.9cm
ニューヨーク メトロポリタン美術館
この作品は生硬な印象から真作であることを疑われてきた。1628年にガブリエル・トゥッヒャーがバイエルン選帝侯マクシミリアンに売却を申し出たが、真作を疑われ、翌年侯によって購入されている。その後所有者を変えて、1913年メトロポリタン美術館に遺贈されている。
現在では真作と認められているが、疑われたのはデューラーの作品になかった彫塑性が原因だと考えられている。残された下絵素描でも彫塑性が強められている。1512〜13年に書かれたデューラーの色彩に関する覚書から、新しい色彩観の試みとして高く評価する人もいる。
聖アンナの視線が気になるのだが、モデルはデューラーの妻アグネスだとされる。マリアの頭部の右に1519年の年記とモノグラムが記されている。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1510年代
聖アンナと聖母子
1519年 板(カンヴァスに移行) 油彩
60×49.9cm
ニューヨーク メトロポリタン美術館
